何かを始めるときは何かを終わらせる

投稿日 : 2015年02月14日, カテゴリー : 塾長のBLOG

何かを始めても途中でやめてしまった経験は誰でもある。それが他人の強制によって始めたものならまだ言い訳もできるが、自分が好きで始めた事柄については弁解もできない場合が多い。そしてそんな時、決まって、「もっと頑張れ」「意思が弱い」「自分で決めたことだろう」などの罵倒に近い言葉が飛んでくる。確かに人は自分に甘く、他人には厳しいから、甘んじて受け止めるより仕方がないが、たびたびこのようなことが起きると他人からも自分自身からもダメ人間のレッテルを貼られてしまい、人間としての成長を考えたときに大いに問題となる。そこで今回はいわゆる三日坊主の原因と対処について考えて見たい。

三日坊主の原因はいろいろ考えられるが、一つだけ挙げよと言われるならば迷わず「時間の制約」と答える。もっと詳しく言うと人間の生活は一日を単位として成り立っており、その一日は24時間と決まっている。その中で健康を保つために必要な時間、たとえば睡眠、食事、排せつ、入浴などの時間はなくせないので、我々が行動できる時間はおおよそ10時間から14時間程度だろうか。更に、社会生活を営むには子供には学校、大人には仕事が強制され、8時間から10時間程度はそれに奪われている。それらを足し合わせると18時間から24時間となる。これに友達、家族とのコミュニケーションの時間やテレビやスポーツなどの娯楽の時間を入れたら、ほとんどの人たちのウイークデイはこれらで終わってしまう。もちろん土日の時間を上手に使って1週間を基本単位と考えて充実の生活を送っている人も中にはいるが稀である。

このように時間に追われながら生活している人が何か新しいことを始める時は注意が必要である。なぜなら、その新しいことをする時間を確保しないで無思慮に始めてしまう人が多いからである。その結果無理が生じて遅かれ早かれその行動をやめることになる。これは意志の問題なのではなく、時間管理の問題である。このことに気づかず、三日坊主が意志の弱さの問題として長いこと扱われてきた。だから、「頑張れ」とか「一度決めたことは最後までやれ」とかの精神論が解決策とされてきたのである。

三日坊主が時間管理の問題だとすると、自ずと解決策が見えて来る。表題でも結論を言っているが、何かを始める時はそれに要する時間を予め確保するということである。そして確保するには今まで組み込んでいた時間を終わらせなければならない。終わらせ方はいろいろあるが、一つは単純に今までやっていた行動をやめることである。たとえば、テレビを見る時間をやめて、その時間をこれからやろうとすることに充てるのである。もう一つは時間活用を有効にすることで、時間を捻出することである。たとえば、睡眠の質を高めることで睡眠時間を減らして、そこに新しい行動を組み込むのである。最後に注意点を言うと、何事もやり方を変える時は在り方も変えないとうまく行かない。在り方とはなぜそうするのかという心構えである。

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