子供を導く

投稿日 : 2014年09月24日, カテゴリー : 塾長のBLOG

少しの努力で大きく伸びる人の特徴は精神的、知的な面の基礎的条件が整っていることである。その部分は本人が努力して形成したものではなく、周りの大人たち、特に親の努力による場合が多い。だから知的な面で優秀だったり、情緒的な面で豊かだったりするお子さんの親御さんを見れば、なるほどと納得する場合が多いのも事実である。

それではどういう部分の基礎的条件を整えればいいのか。精神面から言えば、素直さと忍耐力を磨くことである。この力があれば周りの人からも信頼され、物事に真面目に、そして忍耐強く取り組むことができる。知的面から言えば、好奇心と自分の頭で考え自分の意思で行動する力を身に付けることである。この力があればいろいろなことに興味を持ち、自分で考え行動することに充実感を覚え、自己の能力を開花できる可能性がかなり高まるに違いない。

それではどうしたら子供たちにこのような力を身に付けさせることができるのだろうか。精神面はやはり親のしつけによることが多いと思う。素直さは感謝することができる力と置き換えてもいいくらいで、やってもらうことに対してありがとうの気持ちを持てるようにしつけることである。忍耐力は、自分の利益になることでも人に迷惑をかけることはしない、やりたくないことでも人に約束したことは必ずやらせるというしつけから生まれる。

知的な面は子供たちが本来持っている知的好奇心を親がつぶさないようにすることに尽きる。子供は何でも知りたがり、そのたびになぜ?どうして?と発問する。この時一番まずい対応の仕方は親が「うるさい!」といった内容の言葉を言ってしまうことである。何回か繰り返すうちに子供はそんなことを考えたり質問したりすることは悪いことだと思い始め、知的好奇心は見事につぶされる。次に悪い対応は親が何でも答えてしまうことである。これを繰り返すと子供は自分の頭を使うことを学ばず、だから好奇心もそれ以上は芽生えない。最も適切な対応は親が子どもと一緒に考えることである。一緒に考える中で、頭の使い方を教え、結論が出たら褒めてやる。それを繰り返すことで子供たちは知的好奇心や自分の頭の使い方を身に付ける。

キタキツネは10か月間親子仲良く家族として暮らす。その間に親ギツネは子ギツネに将来一人になっても生きて行けるようにエサの取り方を教え込む。そして、それができると非情にも(いや本当は愛情深く)親ギツネは子ギツネを巣から無理やり追い出す。キタキツネを例に引いて申し訳ないが、人間はこのことを大いに学ばなければいけないと思う。人間の親子だって、ただ仲良く一緒にいればいいというものではない。親は子供に教えなければならないことがある。将来子供が独り立ちするための力である。私が述べた事柄はその内の一部ではあるが最も大切なことであると考えている。

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