豊かな未来を語ること

投稿日 : 2010年02月09日, カテゴリー : 塾長のBLOG

1960年代から始まった日本の高度成長、この時期日本人は昨日よりも今日、今日よりも明日は必ず豊かになるという自信と確信を持っていました。そのころの日本はアメリカやヨーロッパ諸国に比べたらまだ貧しくて、大きな冷蔵庫や車が出てくるアメリカ映画に自分たちの未来を重ねていました。勉強すれば偉くなれる、一生懸命働けば豊かな暮らしができる。そういう思いを持って、日本人はエネルギーを燃焼させながら必死に生きていました。そして、1980年代、日本はGDP世界第2位の経済大国になりました。確かに、経済的には豊かになり、三種の神器と言われた洗濯機、冷蔵庫、白黒テレビ、新三種の神器と言われた、カラーテレビ、クーラー、車はどの家庭でも持てるようになりました。
しかし、そのために支払った代償も大きかった。大気汚染や公害の発生、家族や学校の崩壊、自殺や交通事故死の増大など深刻な社会問題となりました。
あれから、30~40年経った現在の日本はどうなのか。1991年にいわゆるバブル経済がはじけ、それ以来現在まで経済の疲弊が続いており、経済格差も大きくなり、それが教育の格差にまで及んでいます。こういう状況の中で子供たちは将来に不安を感じながら生活しています。
その不安は親や先生が豊かな未来を語っていないことから来ています。勉強をすれば、あなたの未来は必ず豊かになりますという図式が描けなくなったことがそう言えない真の原因になっています。
確かに従来から言われてきた豊かさを経済的豊かさに限定するのであれば、決して日本の未来は明るくはありません。さまざまな条件や環境をクリアしないと経済的意味での豊かさは確保できないからです。
そもそも豊かさを求める意味は行き着くところ、人の幸せを確保するためだったはずです。つまり、幸せのベースは経済的豊かさの上にあると考えたからに他なりません。しかし、それは日本が明日の食料をも不足していた時代の考え方であって、将来の日本がそこまで貧乏になることは通常では考えられません。
それでは、何が幸せの土台となりうるのか?それは心の豊かさだと思います。過去の日本人は貧しい中でも、知恵を出し合って心の豊かさを追い求めていました。豊かな文化や情感は繊細な日本人の心の豊かさの表れです。そういう中で日本人は幸せ感を築いていたのだと思います。
戦後、日本は経済一本やりで突き進んできましたが、それはもうその位にして、今度は心の豊かさを取り戻し、そして新たな心の豊かさを追い求めてみようではありませんか。それが実現できれば日本は世界に誇れる豊かな民族として尊敬されるでしょう。我々大人はそんな未来を子供たちに熱く語り、率先してそういう方向に子供たちを導いて行きましょう。

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