勉強の基礎を築く
投稿日 : 2011年11月10日, カテゴリー : 塾長のBLOG
応用問題を解くためには基礎が分かっていなければいけないと言われています。その通りで異論はありません。子供たちからも、自分は基礎がまだ完全ではないのでもっと勉強しなければ・・・。そのような言葉をよく聞きます。これもまた、その通りで異論はありません。
しかし、基礎、基礎という人に限って、基礎って何?と質問すると答えることができません。辞書を引いたら、基礎とは「物事が成立する際に基本となるもの」と書いてあります。しかし、これでは何を言っているのかはっきりしません。そこで、勉強以外を例に出して基礎を考えましょう。たとえば、ピアノを弾く時の基礎とは何でしょうか?どの鍵盤を押したらどの音が出るかを知っていること、楽譜が読めること、ピアノを弾く時の心構えが分かっていること・・・。
野球の基礎とは何でしょうか?野球のルールが分かっていること、野球をする基礎体力があること、チームワークが分かっていること、守り方や攻撃のしかたを理解していること・・・。
簡単に言ってしまうと、ピアノであれ野球であれ、何かにつまずいたときに、原理原則に立ち返ることができる力。これを基礎力といい、その原理原則を基礎といってもいいのです。
勉強における基礎についてもう少し考えてみましょう。
勉強は科目ごとに、単元があり、単元の裏にはそれを支えている理論があります。その理論が基礎に当たります。その一つ一つの基礎がつながりネットワークになった時にその科目の基礎が出来上がります。ですから、基礎を学ぶには知識の暗記に走るのではなく、その知識を支えている意味や理由を丹念に調べていかなければなりません。
基礎を身に着けるやり方でとてもいい方法があります。それは対話型の勉強を取り入れることです。たとえば、授業を受けるときは一方的に先生の話を聞かない。教科書や参考書を読むときは、そこに書かれている言葉を一方的に覚えない。そういう姿勢が要求されます。先生の言葉や本の言葉を自分の理解している言葉に直しながら勉強していきます。たとえば、中1の英語で次のような文の提示と説明が行われた時を想定しましょう。
「I have a pen.」[一定の形がある物が一つの場合は、その前にaを付ける]。
この時の対話内容は「二つ以上の場合はどうするのだろう?」「一定の形がない物にはaを付けなくていいんだな。でも、何も付けなくていいのかな?」このようになります。これを家庭教師や個別指導を受けている場合は直接先生と対話すればいいし、そうでない場合は自分と対話します。こういう対話で疑問が生じたとき、調べたり質問をしたりするのです。このような勉強をしていくと確実に基礎を身に着けることができるし、知識を暗記しなくても自然に記憶することができるようになります。ぜひ試みてください。