問題を解く

投稿日 : 2011年10月19日, カテゴリー : 塾長のBLOG

私たちは小学生の時から、問題を解くことが勉強だと思ってきました。その結果、「解法の研究」のようなこと、つまり解き方のパターンを一生懸命教え込まれ、何の疑問もさしはさむことなくそのやり方を覚え、それを実践してきました。たとえば、「~の形の問題が出たら、この公式を使って、このように解きなさい。」とか「~の中から選びなさいという問題が出たら、消去法で解きなさい。」とか・・・。そして、そういう解き方を覚えたら実際のテストで100点満点とれるので、教える側も学ぶ側も何の違和感もなく、受け入れてしまっています。それは一つの問題には答えは一つしかないという前提に立っているからです。

しかし、答えがない、または答えがいくつもある現代社会では解き方のパターンはありません。昨日の正解が今日の不正解であることは珍しくありません。なぜなら問題の前提となっている状況が違っていれば、結果が違うことは普通にあることだからです。21世紀の、このように難しい世の中を生き抜く力を養うために、今一度原点に戻って、問題を解くとはどういうことなのかを考えてみたいと思います。

問題解決の流れは次のようになります。

①どんな問題なのか→②どのような解決策があるのか→③最もふさわしい解決策を答案化する。

①を知るためには、分析という手法を使わなければなりません。たとえば、オモチャが動かなくなったら、まずやることは分解(分析)して、どの部品が壊れているかを特定するのと同じです。何が分かって、何が分かっていないのか、どんな条件があるのか、などを特定するために分析し、その結果を表や図で表す作業をします。

②の段階は、①で行った分析結果に基づいて、それらを統合して、求める結論を導き出します。その際に、便利なツール、たとえば数学の公式などを使うことがあります。

③は質問の仕方に応じた解答をするという非常に技術的な手続きになります。

 

この中で最も大切な手続きは①と②ですが、その中でも①の分析作業が一番のポイントになります。分析作業をしっかりやれば、何が分かっていて、何が分かっていないかが分かると同時に、出題者の意図を見抜くことができます。それが分かれば、ほぼ8割方問題が解けたことになります。②の統合作業は①の分析作業に比べたら、知識要素が大きいパターン的な分野です。ところが、塾や学校では①は先生が主にやり、②を一生懸命生徒に教えています。これでは、本当の意味での論理的な思考力は身に着きません。

①の分析と出題者の意図を見抜くことを中心にした勉強にぜひ変えてもらいたいと思います。

 

このページの一番上に戻る。
資料請求はこちら
入会のお申込みはこちら