自分って何者?

投稿日 : 2011年07月04日, カテゴリー : 塾長のBLOG

だれでも自己紹介をしたことがあるでしょう。そんなとき、あなたは何を伝えていますか。たとえば、自分の名前、名前の由来、生まれ、血液型、星座、性格、将来の夢、将来の仕事、趣味、家族構成や所属集団の特徴などでしょうか。

しかし、それで自分を紹介したことになるのでしょうか。本当の自分を伝えたことになるのでしょうか。

たとえば、「私は田中次郎です。」と言ったところで、本来の自己のいったい何を伝えたことになるのでしょうか。名前は普通、親がつけてくれたもので、自分そのものではありません。

血液型や星座を伝えたところで、興味本位の占いに行き着くに決まっています。「あなたはA型だから神経質だよね!」「ふたご座はてんびん座の人と相性がいいよね!」そんな枠にはめて、言っている本人も言われている相手もどこか安心している。

現代人の不安は自分が何者なのかわからないことに起因しているかもしれません。もちろん、それまでの日本人が自分の本性を知っていたとは思えないけれども、少なくとも知ろうと努力をしたり、悩んだりしていたことだけは確かでしょう。そして、そういう過程の中で、友と真剣に議論しあったり、純文学の主人公の中に自分の悩みを投影したりすることで、生死、友情、恋愛、宗教といった人間が真剣に生きるためには欠かすことができない本質を考えることができたと思います。

ところが、ここ10年間の情報革命は人間が普通についてゆくスピードをはるかに超えています。パソコンや携帯電話がなければ夜も日も明けない人がなんと多いことか!これはどう考えても尋常とは思えません。世界中を飛び回っているビジネスパーソンだったらまだしも、中学生や高校生までもがそんな状態にいることはどこか間違っているとしか思えません。自分のことや人生の大切なことをじっくり思索し、真剣に悩まなければならない若者が毎日毎日情報におぼれ、追いかけ回されて、そのことにストレスを感じながら、大切な時間を浪費していることに大変な危惧を抱きます。

こんなことを続けていったら、自分に自信を持てない大人、周りを思いやる力のない大人、相手を真剣に愛することができない大人だらけになってしまいそうで、何だかとてもかわいそうに思えてきます。

一日の中に自分を取り戻す時間を強制的に作り、いったい自分は何者なのかを考えることを勧めます。その際に、日記をつけたり、本を読んだりしてください。もちろん、携帯とパソコンの電源は切る!

 

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