子供が無口になる訳
投稿日 : 2010年05月17日, カテゴリー : 塾長のBLOG
小学生までは学校や友達のことをあんなに話してくれたのに最近あまり話さなくなったという経験がありませんか。その原因を反抗期のせいにしていませんか。確かにそういう要素があることは否定しませんが、もしすべての原因がそこにあるのであれば、その反抗期が終わったらまた以前のように話をしてくれるようになるはずなのに、ほとんどの場合そうはなりません。
私はその原因をコミュニケーションの問題だと考えています。次のような会話を考えてください。
親:今日学校はどうだった?
子供:眠くてちゃんと授業を受けることができなかった!
親:遅くまでテレビ見ているからよ!
この会話では二つの点で問題があります。一つはコミュニケーションが完結しないまま終わっていること。二つ目は感情表現である「眠くて」を否定している点です。
最初の、コミュニケーションが未完のままで終わることに関して、子供に大変なストレスを与えていることを知るべきです。コミュニケーションは本来キャッチボールです。相手が言ったことにちゃんと承認を与えて、応えて行かなければなりません。
次の、感情表現の否定のことに関して、選択の余地がない感情(眠いものは眠い)を否定されると心が非常に不安定になり、自分の存在に確信が持てなくなります。それは同時に自己の生存にとって脅威となります。したがって、そういう自然に湧いてくる感情を否定する人の所へは近付かないようになるのです。
この二つの問題点を解決するコミュニケーションは次のようになります。
親:今日学校はどうだった?
子供:眠くてちゃんと授業を受けることができなかった!
親:そう、眠かったんだね。
これで、自然にわいてくる感情を承認し、コミュニケーションはひとつ完了しました。その上で、眠かった原因を子供自ら気づくように質問して行けばいいのです。
これでお分かりのように、子供が無口になる原因の多くは親子のコミュニケーションにあります。自然な感情は評価をせずに承認し、子供の自由意思で選択できる行動に着目して話し合いを重ねる努力をしてほしいものです。